町内

 毎月1日に市の広報紙を町内に配布することになっており、今月はうちが当番とのことで、十数軒分の広報紙が町内会長から渡されました。通常は私の父がやっているのですが今回は私がやることにしました。町内のことは私自身はほぼ全く関わっておらず父に任せっきりなので町内の人々の名前も顔もよく知らないし、挨拶を交わしたこともありません。そんな町内の家々の郵便受けに丸めて輪ゴムをはめた広報紙を順番に入れていきました。どの家庭もひっそりと静まり返っていて誰も出てこなかったのですが、1軒だけつい数分前に帰宅した後にカーポートで車を洗っている男性がいました。この家は町内では1、2位を争うお金持ちで、ご主人はかなりの車好きのようで頻繁に車を買い替えています。しかも2〜3台を所有しており、普段はレクサスのSUVを使っているようですが、以前、レンタルなのかどうか知りませんが、ベントレーに乗っているのを見たことがありますし、真っ赤なフェラーリが停めてあることもありました。そういう人種に対する偏見からなのか、あまり良い印象を持っていなかったのですが、今回、広報紙をその男性に直接手渡す際に初めて言葉を交わしました。その時のやり取りは非常にソフトで感じか良かったので、この人は意外といい人なのかもしれないと思ったのでした。