サポーター

 サッカー日本代表のサポーターが選手達に注ぐ愛情は特別なものらしいです。監督のザッケローニは、日本のサポーターが単に勝つという結果だけを代表チームに求めているのではなく、選手達を温かい目で見守り心から応援していることを知り、それが他の国ではみられない日本独特のものであるため、たいへん心を動かされたそうです。そして、2014年のW杯ブラジル大会が終わって日本代表の監督という職を解かれた後、他の国の代表チームの監督をすることを考えるのは難しい、と語っていました。つまり、チームとサポーターの関係が理想的であり最高である状態を体験してしまった以上、他の国の監督をしても幻滅を感じるだけだということを悟ったのでしょう。それほどまでに日本のサポーターが素晴らしいものに彼の目には映ったのでしょう。

 一方の選手達は、応援してくれたサポーターに感謝の意を表すために、試合後にスタジアムをゆっくりと1周し、スタンドに向かって手を振ったりします。日本代表の試合をテレビで観ていると、試合後のインタビューでよくザッケローニや選手達が「こんなにもたくさんのサポーターが応援してくれて感謝してます」といった内容のことを言っていますが、あれは決して社交辞令ではなく、本当に心からそう思っているのでしょう。これは実際にスタジアムへ来て生で観戦しないとわからない感覚だと思います。テレビ観戦だと、どっちが勝った負けた、誰のせいで失点した、みたいな単なる数字やデータに意識が行ってしまいがちですが、生で観るとそれ以外のものが五感を通して伝わってきます。それこそが生で観戦することの醍醐味であり、どんなに混雑して道が渋滞しようとも、必死にチケットをゲットして自分の目で観に行こうとする人が何万人もいる理由なのでしょう。そして私自身も、今後も可能な限り生で観る機会を増やしたいと思っています。